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バームクーヘンについて

バームクーヘンは、多くの日本人が子供の頃から親しんでいるお菓子です。そのバームクーヘンの発祥はドイツ。発祥の地ドイツでは、バームクーヘンをあまり見かけることはないとも聞きますが、ご存じのように日本にはたくさんの専門店があり、デパ地下でもお取り寄せグルメでも人気です。私たち日本人が、なぜこんなにバームクーヘンが好きなのかはよくわかりませんが、きっと日本人のハートをくすぐる魅力があるのだと思います。この記事では、そんなバームクーヘンに関する知識を紹介しています。キャンプやバーベキューでバームクーヘンを作る方法も紹介しているので、ぜひ読んでみてください。

バームクーヘンの由来

バームクーヘンは、ドイツ生まれのお菓子だとご紹介しました。ここでバームクーヘンがどのようにして日本に伝わったのか、ご紹介しておきましょう。

きっと多くの人がご存じの洋菓子メーカー「ユーハイム」。このユーハイムを開いたドイツ人カール・ユーハイムさんが、バームクーヘンを日本へと紹介したその人です。

カール・ユーハイムさんは、第一次世界大戦の際に捕虜として日本に連れてこられました。しかし、その奇妙な縁が、バームクーヘンを日本へと導いたのです。

カール・ユーハイムさんは、広島の、現在は原爆ドームになっている場所にあった「物産陳列館」にバームクーヘンを出品するチャンスを得ます。その出品された、年輪のようなめずらしいお菓子に、日本人は夢中になりました。

自身のバームクーヘンが日本人に迎えられたことに気を良くしたカール・ユーハイムさんは、日本にそのまま残ることを決意します。その後も大地震や第二次世界大戦で大きな打撃を受けますが、ユーハイムは立ち直り、バームクーヘンを日本へと根付かせたのです。

カール・ユーハイムさんが日本の捕虜にならなければ、バームクーヘンは日本でこれだけ受け入れられることはなかったかもしれませんね。

地元ドイツでのバームクーヘン

一方、カール・ユーハイムさんの出身地ドイツにおけるバームクーヘンはというと、実はけっこう地味な存在です。

ドイツでは、デパートやスーパーマーケットでバームクーヘンを見かけることはあまりありません。日本でいう洋菓子店のようなお店には売られていることがあっても、日本のようにどこでも売っているという感じではありません。特に旧西ドイツ圏では、バームクーヘンを見かけることはあまりないようです。そのため、バームクーヘンを食べた経験のないドイツ人も一定数存在します。それを考えると、世界一バームクーヘンに親しんでいる国民は日本人なのではないでしょうか。

しかし、ドイツはやはりバームクーヘン発祥の地。ドイツには、バームクーヘンがバームクーヘンであるためのルールが存在するのです。

日本のバームクーヘンはバームクーヘンではない?

バームクーヘン発祥の地ドイツには、「バームクーヘンはこうでなければならない」という、まさしく定義があります。その定義に当てはまらなければ、本来、バームクーヘンと呼ぶべきではないのです。

その定義はなかなか厳格です。バームクーヘンであるためには、

・油脂にはバターだけを使う

・ベーキングパウダーは使用不可

とされています。これだけでも作るのに手間がかかりそうです。

その上、バームクーヘンを焼くときはオーブンの前でずっと作業しなければなりません。バームクーヘンは、まさに職人でなければ作れないお菓子なのです。このことを考えると、ドイツ国内であまりバームクーヘンを見かけない理由もわかってきます。ドイツにおけるバームクーヘンは、熟練の菓子職人しか作れないお菓子だったのです。

日本では熟練の菓子職人が作ったものだけではなく、量産品もいたるところで販売されているので、本来、バームクーヘンとは定義できないものまでバームクーヘンとして売られているということになります。ただ、日本においては、量産品も含めてバームクーヘンと呼んで差し支えありません。

ちなみにバームクーヘンはドイツ語で、直訳すると「木のケーキ」です。ドイツでもバームクーヘンを年輪のようなお菓子と考えているということですね。ドイツには、「クーヘン」のほかに「トルテ」というケーキを表す言葉があるのですが、トルテはどちらかというとフルーツやクリームを使って飾られるケーキに使われます。バームクーヘンのようなシンプルなケーキにはクーヘンが使われます。

日本で発展したバームクーヘン

ドイツでは腕利きの菓子職人が作る伝統的なお菓子であるバームクーヘン。すでにご紹介したとおり、その違いについてはおわかりいただけたと思います。日本のバームクーヘンは、カール・ユーハイムさんが紹介して以降、日本人が好む味や食感が意識されて、時代とともに進化してきました。日本人は、ソフトな食感を選ぶ傾向があるためか、日本で販売されている多くのバームクーヘンがこのような特徴を持っています。

そのほかに日本では、風味の異なるさまざまなバームクーヘンが販売されています。皆様もご存じかと思いますが「ストロベリー味」「抹茶味」「コーヒー味」などのバームクーヘンも販売されています。これはバームクーヘンの生まれ故郷ドイツでは考えられないことですね。

もちろん、日本のバームクーヘンは、ドイツのような厳格なルールの下に作られているわけではないので、バターではなくマーガリンが使われているバームクーヘンも存在します。そのため、ドイツ人にしてみれば、日本のバームクーヘンはバームクーヘンではないということになってしまいますが、バームクーヘンは日本で独自の発展を遂げたお菓子ですから、特にルールを気にする必要はないでしょう。

贈答品に選ばれるバームクーヘン

日本で独自の発展を遂げたお菓子であるバームクーヘンは、その利用され方も何か変わっています。バームクーヘンは、なぜか贈答品として日本で立ち位置を確保しています。もちろん、手に入りやすさや価格帯、高級感など、バームクーヘンが贈答品に選ばれる理由はいくつかあります。しかし、日本人の多くが贈答品として認識しているお菓子というのも、なかなかめずらしいのではないでしょうか。

バームクーヘンは結婚式の引き出物として、また敬老の日の贈答品としても人気のようです。バームクーヘンは長い棒に巻きつけて焼かれますが、この姿が永遠や長寿などをイメージさせるということなのだと思います。また、年輪のような姿からも成長や長寿がイメージされますね。

基本的にバームクーヘンは慶事の際の贈り物と考えられているようです。しかし、実際はそんな決まりはありません。ただ、入院の見舞いにバームクーヘンを持っていって誤解されてしまったという人もいるようなので、もしもこのようなシチュエーションでバームクーヘンを贈る場合は、事前に持っていってもいいか、一応、確認したほうがいいかもしれません。「バームクーヘンを持っていく」と伝えれば、喜んでくれる人はたくさんいます。

バームクーヘンの「おいしい切り分け方」

バームクーヘンは、棒に巻きつけて焼くため、真ん中に穴の開いたリング形状になっています。外側から穴に向かってナイフを入れるのが、これまでの切り分け方ですが、実はバームクーヘンをもっとおいしく食べられる切り分け方があることを、皆様はご存じですか?

バームクーヘンは「そぐ」

バームクーヘンは、垂直にナイフを入れるのではなく、ナイフを寝かせてななめに「そぐ」ような感じで切ります。バームクーヘンの年輪が見えている表面を、ナイフですくう感じで切ってみましょう。この「そぐ」切り方は、切れ味のあまいナイフだとうまくできないので、必ず切れ味の良いナイフを使ってください。さらに、急いでナイフを進めると失敗しやすいので、ゆっくり刃を入れることが大切です。

切り方で食感が変わる不思議

リング状のバームクーヘンに垂直にナイフを入れるのではなく、「そぐ」ことで食感が変わるなんて…と思われる方もいらっしゃると思います。しかし、現実に食感は変わります。もちろん、普通に切ってもバームクーヘンはおいしいのですが、「そぐ」ことで、ふわりと軽くなるのです。垂直にナイフを入れるとソリッドというか、何か「かたまり」を感じますが、「そぐ」ととても軽い食感になります。まだ試したことがないという方は、ぜひトライしてみてください。その違いにちょっとした感動を覚えることでしょう。

この切り方、実はバームクーヘンの故郷ドイツの切り方です。日本で独自の進化を続けてきたバームクーヘンも、ドイツの伝統的な切り分け方でおいしくいただけます。

バームクーヘンの製造過程

伝統的なバームクーヘンは、材料や作り方が厳密に定められています。ここでは、日本におけるバームクーヘンの一般的な製造過程についてご紹介します。おいしいバームクーヘンは、このようにして作られるんですよ。

材料を正確に量る

まずは材料を正確に計量します。分量を間違えてしまうと、味も食感も、本来のバームクーヘンとは別物になってしまいます。砂糖やバターなどの材料には、それぞれ役割があるので、常に分量をチェックしてから作業を始めます。

混ぜる

正確に計量した粉、卵、砂糖、バターなどの材料を、レシピに則って混ぜます。生地の混ざり具合をしっかりと見極められるようになるまでには、経験を積まなくてはなりません。ミキサーを使って混ぜられた材料は、菓子職人の手で調整されたあと、焼きの作業へと移されます。

焼く

生地が完成したら、そのあとは焼きの工程に移ります。バームクーヘンは、特殊なオーブンを使って焼き上げますが、その際、職人は温度や湿度、もちろん時間を、オーブンの前に立って管理しなければなりません。焼き上がりまでの約1時間、職人はオーブンから目が離せません。

寝かす

バームクーヘンは、焼き上がったあと、通常は少し寝かせます。その後は、丸太のような状態のバームクーヘンを、年輪の見えるあの形に仕上げれば、皆様におなじみのバームクーヘンの完成です。

伝統的なバームクーヘンは、経験豊富な職人の腕なしに作ることはできません。

アウトドアでバームクーヘンを作る方法

ご紹介したように、職人の経験と腕がなければ本格的なバームクーヘンは作れません。しかし、なんちゃってバームクーヘンなら、キャンプやバーベキューなどのアウトドアアクティビティの際に作れます。みんなで協力して作るだけでも盛り上がりますよ。

とりあえず、バーベキューグリルと炭、アルミホイルとグリルをまたぐ長さの木の棒(直径2~3cm程度)を準備しましょう。アルミホイルは木の棒に巻きつけておきます。

材料(6人分)

ホットケーキミックス:300g
砂糖:75g
牛乳:225cc
卵:3個
バター:90g
サラダオイル:適宜

作り方

  1. ホットケーキミックスと砂糖、牛乳、卵をボウルに入れて混ぜ合わせる

  2. 1で混ぜ合わせたものに、フライパンで熱して溶かしたバターを投入してさらに混ぜ合わせる(強火だとバターがこげてしまうので火加減注意)

  3. アルミホイルを巻きつけた棒にサラダオイルを塗り、2でできた生地を棒にかける

  4. バーベキューコンロの上で棒を回転させながら焼き色をつける

  5. 3と4の作業を繰り返す

  6. 適当な大きさになったら火から下ろす(30分ぐらい)

  7. 粗熱をとったあと、棒を抜き、バームクーヘンを適当な大きさに切り分ければ完成

本場の職人さんは怒るかもしれませんが、ホットケーキミックスを使った「なんちゃってバームクーヘン」は、アウトドアでも楽しみながら焼けるのでとてもおすすめです。もちろん、ホットケーキミックスの代わりに小麦粉やコーンスターチ、ベーキングパウダーなどを使えば、もっと本物に近いバームクーヘンが作れます。

みんなでワイワイ作れるバームクーヘン。お菓子を作ったことがない人にもおすすめです。ただ、棒を手で回し続けなければならないので、やけどには十分気をつけてください。

まとめ

バームクーヘンについてご紹介してきました。ドイツ生まれのお菓子が日本に定着したその過程は、とても興味深いものだったんです。ドイツでは厳格なルールがあり、販売されている場所も限られているバームクーヘンですが、日本では独自の発展を遂げ、私たちの暮らしに欠かせないお菓子になっています。そろそろバームクーヘンが食べたくなってきたのではないでしょうか?